怖い話その2
招かざる者の声
小説形式にてお楽しみください。あれは6月の中旬くらいだったろうか…蒸し蒸しして過ごしにくい夜のお話。
仕事でインカムというものを使う。わかりやすく言えばトランシーバーのようなもので
お互いに指示を飛ばしたり何かあったときに主に使用する。頻度は10秒に1回会話が飛び交うくらいで何でもないことでも使用する。使う際は要件やどの場所から何を誰を等を伝えるが毎日頻繁に使用するため聞いている人はそれだけでだれの声かもわかる。
そんなある日…
1人の従業員がインカムで「〇〇さんが〇〇を探されてますが誰かここまで来てください」といった内容のインカムが飛んだ。みんな自分の仕事をしているため応答も遅い。シビレが切れた従業員が「誰かいけますか?」と訊ねた、が誰も返事がない。誰も応答がないのでもう一度訪ねた。「誰かいけますかー?」「はい」
????????
「お願いします。」
5分後…一番初めにインカム飛ばした方より再インカム。
「誰もこないんですけど、どうなってますー?」
「先ほどだれかはいと返事したから誰かそっち行ってるんじゃないんですか?」
「誰も来てないですよ」
その日の仕事が終わり従業員に先ほどの件を聞いてみたところ
声を聞いたが6人中4人うち2人は聞いてないとのことだった。
さらにその声の特徴は女性の声だったと全員が答えた。
しかも知らない声だったと…。
本来であれば「怖かった~」で終わる話だろうがこの話には続きがある。
カメラのチェックで現場を見ていた時に、妙な影のようなものが映り込んでいた。
カメラ自体についているクモの巣かと最初は思っていたがなんか違う。
やがてその影のようなものは移動しある場所にとまった。
よくみればその影は少し動いている。頷いているようにみえた。
そして影は消えた。
時刻を見てゾッとした。なんとあのインカムがとんだ時間とほぼ同時刻にこの影は表れていた。恐らく「どうなってますー?」と聞いているくらいに影は消えている。
ということはちゃんと「はい」といって現場に行っていたようだ。
別件だがインカムや収音機器は周りの音や無線などを拾うことがある。
インカムにも電池があるので電池が切れる前は警告音のようなものがなる。
その時は「○○インカム切れます」などいったものだが、そのいったあとに
よくノイズが混じることがある。特定の他にはない独特の音だ。
もしかしたら招かざる者の声としていつもインカムを聞いているのかも
しれない…。
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